隣の席の人

飛行機に乗る時はいつも通路側の席をお願いする。

 

今回の旅ももちろん通路側で、窓際よりの二人掛けのシート、

その席に座っていたのは珍しく男性だった。(普通一人旅の女性の隣には女性を座らせてくれる場合が多いのだ。)

私は夫と電話で話しながら機内に入って席を探していたので、

座って、しばらくすると、

「スペイン語が上手なのですね。」 と話しかけてきたその人はスペイン人らしくないとっても聡明な感じの男性だった。

「え?ええ、セビリアに住んでいます。あなたは?」私

「私はバルセロナです。でもおじいさんはグラナダの人でよくアンダルシアに行っています。」隣人。

「今日は何のために日本へ?ビジネスですか?ご旅行ですか?」 私。

「私はスパのビジネスを何カ国かで展開しています。だから名古屋から札幌に向かいます。」隣人。

それからいろいろな話をして、その後もちろん今話題のカラルーニャ地方の独立希望のことについて現地の声を聞いてみた。

彼はニュートラルと言っていたけど、でもカタルーニャ人の気持ちもわかるとも言っていた。

「でもね。彼らの考え方はすごく古いと思います。

私たちはもう、個のレベルではなく、地球レベルで物事を考えていかないと、どうしようもない時期に来ていると思います。

「私たちだけが金をスペインに作り出してる!」みたいな考え方、それにブーブー不満を言ってるカタルニア地方の人たち、何か少し違うって思うんです。

例えばヨーロッパ全土で考えると、北欧や、ドイツがお金を作り出し、

スペインやイタリア、ギリシャといった国がその恩恵を受けているわけですよね。

ですから、カタルニア地方の人々も他からサポートされていることを忘れてはいけないと思うのです。

全部ひっくるめて私が感じるのはもっとお互いがシェアしていく時代が来ていると思うのです。地球的なレベルで。」と私、熱演したら、考えてくれていたみたいだった。

 

その後11時間近くの旅、彼はほとんど寝入っていて、ご飯は朝食を食べただけだった。

トイレにも一回も立たなかったし、水もあまり飲んでなかったし、大丈夫なのかな?って心の中で思ったりもした。

 

私は同じ映画を2回も見て、その後眠る!っと決め。

起きたらほぼ着陸時間。

慌てて降りて、最後にさようならを言うのを忘れてしまった・・・。

と思いつつ、荷物受け取りゲートに立っていた。

 

一つ目のボストンが出てきて、

二つ目のスーツケースを待っている間、

日本人のケアテーカーの男性が車椅子を押して、スーツケースを受け取ろうとしている。

その車椅子に座っているのはお隣さんだった男性。

 

私はびっくりして、

「あーさようならを言うのを忘れていたから、ちょうど考えていたのです。

大丈夫でしたか?

気をつけて旅を続けてください。」

 

と一言挨拶ができよかったなーって思った。

 

車椅子だったから、飲み物もあまり取らずに、食事も控えて、

車椅子で、一人で旅をして、ビジネスを回していて、

歩けないという惨めさのかけらも見せずに凛としているその強さは

私の心を打った。

 

数年前亡くなった片足のない友人がいたけど、

私は彼女の誇り高い行動にとても尊敬の意を抱いていた。

彼女と隣の彼はとっても似たエネルギーだったから、

その彼女を思い出したりもした。

 

体に障害があっても、ハートはぴっしりと輝いている人って世の中にたくさんいるんだなーって。

 

彼を見て、彼女を思う出して

自分が改めて五体満足で荒れることがどれだけ恵まれているということかを感謝した。

 

私は悲しくても、ハートの輝きを保ち続けたい!

 

Shining heart… Kamala

 

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